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下肢のしびれ、痛み



  1. おしりからふくらはぎにかけて
  2. 足の甲外側と親指と第2趾の間
  3. 第3趾と第4趾、または第2趾と第3趾
  4. 太ももの外側
  5. 足全体
  6. 腰椎椎間板ヘルニア
  7. 腰部脊柱管狭窄症



 




「しびれ」というのはある意味、知覚神経の麻痺です。手足の麻痺に対してよく聞く言葉に片麻痺とか、半身麻痺と言うものがあります。「片麻痺」とは右半身麻痺または左半身麻痺のことで、同側の上下肢に麻痺が見られます。主に脳血管障害でおこります。他に「対麻痺」、「四肢麻痺」というものもあります。「対麻痺」とは典型的には下半身麻痺のことで両足が麻痺する状態です。「四肢麻痺」とは両手・両足が麻痺する状態です。これらは脊髄損傷など、脊髄の障害でよく見られます。これらに対して片側の手だけ、または足だけに神経麻痺が見られる場合、単麻痺と呼ばれます。単麻痺の場合、通常は原因部位は末梢神経由来です。ヘルニアなどによって脊髄から出た直後の神経根で障害が起こる場合もあります。各神経にはそれぞれ支配領域というものが存在します。神経麻痺の診断には、障害部位を詳細に観察し(どの範囲がしびれているか、どの筋肉が弱っているか、どの腱反射が変化しているか)、この支配領域と症状の対比を行うことによってある程度原因とその障害部位が推定できます。複数の原因がある場合や多発性病変の場合は診断が困難になることがあります。末梢神経が麻痺する原因としては、刃物で切る等、外傷の場合を除いて、ほとんどが何らかの原因で神経が圧迫されて起こるものです。この圧迫の原因と障害部位によって治療方針が決定されます。


(1)おしりからふくらはぎにかけてのしびれ、痛み
この領域にしびれを来している場合、坐骨神経痛であることが多いです。坐骨神経とは骨盤の坐骨結節という部分から骨盤外に出てきて、太ももの裏、ふくらはぎを通って、足に向かいます。痛みやしびれは通常、ふくらはぎの後ろ側や外側のつっぱり感として出てくることが多いです。坐骨神経痛は腰椎に原因があるものがほとんどです。

坐骨神経痛を来す原因として、最も多いものは若年者であれば椎間板ヘルニア、中高年以上であれば腰部脊柱感狭窄症です。これらによる神経障害が強くなると足の甲や足の裏に知覚障害が出てきたり、足の指や足首の筋力が弱ってきます。更に強くなると膀胱直腸障害と言って、尿意や便意に障害を来すことがあります。この場合は早急に手術を要することがあります。

まれなものとして、梨状筋症候群というものもあります。これはおしりの部分にある梨状筋という筋肉の周囲を坐骨神経が通過するのですが、その際、梨状筋によって坐骨神経が圧迫されて坐骨神経痛が起こるものです。

坐骨神経痛は上述のように、通常はありふれた疾患によるもので、罹患している人も多く、ついつい軽視しがちなのですが、坐骨神経は人体で最も太い末梢神経であり、その長さも長くなります。実は神経にできものが出来ていた、など、思わぬ事が原因で、思わぬところで障害を受けていることがまれにありますので、単に坐骨神経痛として放置せずに、しっかりと原因を突き止めておきましょう。



(2)足の甲外側と親指と第2趾の間
この部分は腓骨神経の知覚領域になります。腓骨神経は太ももの裏で坐骨神経から別れ、総腓骨神経となります。総腓骨神経は腓骨頭(膝の外側にある骨の出っ張り)の少し下の部分で2本に別れ、深腓骨神経と浅腓骨神経とになります。腓骨神経で重要なのは総腓骨神経が腓骨頭の部分で、骨に沿って走行しているために、外力により、骨との間に挟まれて圧迫を受けやすいと言うことです。そのため、高率に麻痺が発生します。寝ている間に膝の外側を圧迫していて、気付いたら足首に力が入らない、と言うような事が起こります。外傷で足が動かせなかったり、意識障害がある場合によく発生します。

足の甲の外側は浅腓骨神経の支配領域であり、親指と第2趾の間は深腓骨神経の支配領域になります。また、深腓骨神経は足首の背屈をつかさどる前脛骨筋の支配もしてますので、この神経が麻痺すると足首の背屈障害が出現します。足首の背屈障害が起こるとどうなるかというと、足首を上に持っていけなくなる(足の甲側にそらすことができなくなる)ので、歩行時につま先がつっかえやすくなります。また、スリッパなどが歩行時に脱げやすくなると言うことで気付かれることもあります。これを下垂足と言います。下垂足があると歩行がしづらくなるので、装具を使用することがあります。

通常は時間経過(数週から数ヶ月間)とともに回復してきますが、障害程度が強いと手術が選択されることもあります。



(3)第3趾と第4趾、または第2趾と第3趾
この部分にしびれがある場合、モートン病(Morton)というもののことがあります。これは中足骨骨頭間で趾にいく神経が圧迫されて起こるもので、先細の靴が原因していることがあります。靴の改善や局所注射で治っていくことがほとんどのようです。



(4)太ももの外側
この領域は外側大腿皮神経といって、大腿神経の枝が支配している部分です。外側大腿皮神経は上前腸骨棘(ソケイ部の少し外上の骨の出っ張り)のすぐ下を通ります。ここをぶつけたりすると、この神経が麻痺し、しびれや痛みを生じることがあります。この神経は運動神経ではないため、運動麻痺は生じません。機能障害を来すこともほとんどありません。通常、時間経過とともに改善していきます。


(5)足全体のしびれ
足全体がしびれる、特に両足で足首から先全体、と言うような場合には、多発性末梢神経障害が考えられます。これは糖尿病などの代謝疾患と呼ばれるものによく見られます。また、重金属や薬物中毒などで見られることもあります。足の裏のしびれに両手の使い勝手が悪い、と言うような場合には頚椎由来のことがありますが、このように、両手、両足、など、対称性に症状がある場合、一度神経内科で総合的に診察を受けてみるのがよいでしょう。


腰椎椎間板ヘルニア
(「椎間板ヘルニア」の項目もご参照ください。)椎間板ヘルニアとは、椎骨の間にあるクッションの役割を果たす椎間板が飛び出した状態です。重いものを持ったとき、くしゃみをしたとき、などには椎間板に強い圧力がかかります。この時に線維輪にひび割れが生じると激痛を生じることがあり、いわゆるぎっくり腰として出現することがあります。線維輪のひび割れ部から髄核が飛び出し、神経を刺激すると椎間板ヘルニアの症状が生じます。ひどい腰痛が数日で治まってから、次第に足がしびれ痛くなってくる、と言うのが椎間板ヘルニアの典型的な症状推移像です。


腰部脊柱管狭窄症
これも坐骨神経痛を来し、症状的には椎間板ヘルニアと変わりないこともあります。この場合、椎間板ヘルニアと診断されていることもありますが、正確に言うと椎間板ヘルニアではありません。椎間板ヘルニアは上述のように、飛び出た椎間板が周辺の神経を刺激して痛みを引き起こすものですが、中高年になってくると、椎間板の強度そのものが弱くなり、それ自体が神経を強く圧迫するほどの力がなくなってきます。変わりに骨の変形が主体となり、これが神経を刺激するのです。腰痛関連のページの「腰部脊柱管狭窄症」の項目も参照ください。
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