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また、関節内骨折と言って、関節内に骨折が起こり、ずれが生じると、関節面の不適合が起こります。関節面は非常に摩擦抵抗が少なく出来ていますが、ずれて骨がくっつくとこれが障害されるので、関節の動きが悪くなる、痛みを伴う、などの不都合を生じます。その許容範囲は結構小さく、数ミリずれてもだめ、と言うところもあります。そのため、関節内骨折の場合、手術が必要になる事が多いです。 骨折は前述のように自然にくっつこうとする傾向にありますが、ずれたまま放置すると、ずれたままくっついてしまうので、治療が難しくなったり、場合によっては手遅れになる事もありますので、早めに受診するようにしましょう。また、骨折はずれが小さいと最初はわからない事がありますので、一度骨折してないと言われたからと言って放置せず、症状が続くようであれば無理せずに、もう一度診てもらうようにしましょう。 骨折で有名なモノとして、突き指骨折と呼ばれるものがあります(そのままですが)。専門的には槌指(つちゆび)と呼ばれます。指の爪に近い方の関節(DIP関節と呼びます)の突き指で、少し曲がったままの状態になります。これは伸筋腱と言って指を伸ばすスジ(腱)がこの関節をまたいでいるのですが、腱の付着部が骨折する事で、指を完全に伸ばす力が伝わらなくなり、指を完全に伸ばす事が出来なくなる状態です。ワイヤーで固定しなければ一生曲がったままになる事がありますので、必ず整形外科で調べてもらってください。 また、指の中間にある関節(PIP関節と言います)が強く腫れている場合、多くは靭帯損傷ですが、小さな剥離骨折を伴っている場合や、脱臼骨折と言って後遺障害が残りやすい骨折である事もありますので、決して軽く見ないで早期に一度受診するようにしましょう。更に詳しい突き指のケガについてはこちらのページを参考にしてください。 「条件によっては」と書きましたが、どのような場合に多いか。まず、骨折部のずれの程度です。ずれが大きいままですと、骨折部の接触が悪くなり、骨がつながりにくくなります。また、骨折部の安定性というのも大きな要素です。ぐらつきが大きいと、いつまでたっても新しい骨が出来きらずに骨がつながりにくくなります。 あと、特徴的な事として、骨折部位による違いがあります。骨のつきやすい部分とつきにくい部分があるのです。少々専門的になりますが、有名な部分では足の付け根・股関節部(大腿骨頸部骨折)、親指側の手首の部分(手舟状骨骨折)、足首(距骨骨折)、スネの下の方(脛骨下1/3の骨折)、などがあげられます。これらの特徴として、骨折部の血流の問題があるとされています。骨も生きた組織ですので、血流が悪いと骨が死んでしまう(壊死)ことになったり、当然、再生能力も悪くなります。 また、開放性骨折と言って、少しグロテスクですが、骨が皮膚から飛び出すような骨折もあります。このように、骨の周囲の組織の損傷がひどい場合にも、骨に行く血流が悪くなるために偽関節になりやすいと言われます。 これらの部分の骨折は基本的には、最大限の治癒能力を引き出そうとする目的で、手術で骨折部を固定する事を行います。 |