「リウマチ」とは何か?

よく世間で「リウマチに効く」とか「リウマチにお悩みの」とかいうこ言葉を見かけますが、「リウマチ」とはどのような意味で、どのような状態を言うのかは以外と知られていません。「リウマチ」とはそもそもどういう意味なのでしょうか。

「リウマチ」という語が一般的に示す病気である「関節リウマチ」は英語記載では「rheumatoid arthritis」となります。「rheumatoid」は「リウマチ性」、「arthritis」は「関節炎」と言う意味ですので、直訳すると「リウマチ性関節炎」となります。「rheuma」の部分の意味ですが、これには「流れる」とか「流動する」という意味があるそうで、西暦100年頃に病名として使われ始めたそうです。当時は体の中に悪い体液成分があり、これが体中を流れていき、流れが停滞したところに病変が起きると考えられていたそうです。関節リウマチ患者の痛みが全身性・多発性に出現していく様子から「rheuma」という語が当てられたようです。

ですから、語源から言うと、痛みの場所が変わればどのような原因であれ、「リウマチ」になってしまいます。世間一般ではよく関節痛のみならず、関節リウマチとは全く関係のない様な症状でも、「リウマチじゃないか」と心配されることもよくありますが、一概に間違っていないことになってしまいます。しかし、現在では一般的にリウマチというと「関節リウマチ」のことを指します。

歴史的には、ヘバーデン結節で有名なHeberdenが1800年代初頭に「リウマチとは多くのうずきと痛みに対する共通語である」と述べているそうです。また、「rheumatoid arthritis」と言う言葉が作られたのは1858年であり、「リウマチ」という言葉の歴史からすれば新しいものです。しかし、関節リウマチが自己免疫疾患を基盤にした関節炎が主体である事までが分かってきている現在で、ほとんど何も分かっていなかった2000年近くも前の時代の「リウマチ」という言葉を現在でも続けていることは余り適切でないのかも知れません。

また、疾患そのものは約3000年前の古代人の骨に関節リウマチの痕跡があることが分かっており、古代人もリウマチに罹患していたことが分かっています。

ちなみに、関節リウマチについての事柄はこちらの項目をご参照ください。

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