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脱臼FAQ

各関節の脱臼について


  1. 肩関節
  2. 肩(肩鎖関節)
  3. 肘関節
  4. 手首(手関節)・指
  5. 背骨(脊椎)
  6. 股関節
  7. 膝・お皿(膝蓋骨)
  8. 足首(足関節)





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脱臼とは
 脱臼というのは、解剖学的には関節の適合が外れて、関節軟骨同士の接触がなくなってしまう状態の事です。亜脱臼とは適合は悪くなっているが、関節軟骨は一部接しており、完全には外れきっていない状態の事です。症状から言うと、亜脱臼は少し動かしたりすると、ゴクッと言う整復感とともに整復され、痛みもましになるものの事を言います。その点、脱臼は明らかな整復操作を要するものという事になります。よく見られる肩関節脱臼では、自己整復(自分の力で何とか整復できるもの)出来る状態は亜脱臼、他人の整復を要するものを脱臼として便宜上区別しています。指などの小関節では完全脱臼でも自己整復できることがありますが、股関節ほどの大関節になると全身麻酔をかけた上で腰が抜けるほどの力で整復する必要があることもあります。




(1) 肩関節
 肩関節は人体の関節でもっとも脱臼しやすい関節と言われています。理由は骨の適合する部分が小さく、ほとんどを筋肉で支えているためです(参照「肩関節」の項目)。90%以上は上腕骨側が肩甲骨の前に外れる前方脱臼と呼ばれるものです。鎖骨の端が肩甲骨から脱臼する肩鎖関節脱臼については次の項目で説明します。以下、前方脱臼について説明します。
肩関節脱臼は全関節脱臼の約半数近くを占め、初回脱臼の発生頻度は年間1万人あたり一人程度と言われています。歴史的認識は古く、今から3000年以上前の壁画に脱臼を治しているところとされるものが残っています。かのヒポクラテスも肩関節脱臼の治療方法について記載しているそうです。現在でもヒポクラテスの整復方法を用いて整復されることがあります。
 脱臼そのものの痛みは数日で治まる事が多いです。これ以上の期間、痛みが続いたり、肩が上がらない場合には神経麻痺や肩周囲の腱が切れる腱板断裂が合併していることがあるとされています。この場合は精密検査が必要です。
 脱臼後の治療は通常は三角巾固定を3から4週間が一般的です。高齢者の場合は反復性に移行する危険性が少なく、逆に拘縮と言って肩関節の動きが悪くなることがあるため、もう少し固定期間を短くすることがあります。最近では外旋位固定と言って握手するような姿勢で固定する治療法も発表されており、再脱臼率を下げる事が出来るのではないかと期待されています。
 肩関節脱臼での問題は再脱臼する、いわゆるクセになる、とされるもので、「反復性肩関節脱臼}と言います。これは最初に脱臼した年齢が若いほど再脱臼しやすいと言われており、20歳以下では約90%以上の人が再脱臼を経験するとも言われています。反対に、40歳以上では20%以下と言われています。再脱臼する原因は現在もっともよく知られているものが、関節唇損傷と呼ばれるものです。関節唇とは肩甲骨(受け皿側)の関節面周囲にある、軟骨で出来た土手のようなものです。これが脱臼時にはがれるので、脱臼する道が出来てしまい、脱臼を繰り返すと言われています。
腱板断裂を合併している場合、後日、手術的に修復する必要が出ることがあります。神経損傷は通常、腋窩神経麻痺と言って肩を挙げる三角筋の麻痺症状が多いのですが、一般的には時間経過とともに回復してくることがほとんどであるとされています。重症の神経損傷では腕神経叢損傷と言って、腕全体の神経が損傷されることもあります。この場合の治療に当たっては専門的知識が必要です。


(2) 肩(肩鎖関節)
肩鎖関節脱臼  肩がはずれた、と言ってよく勘違いされているものに、肩鎖関節脱臼というものがあります。これは鎖骨と肩甲骨のつなぎ目が脱臼するもので、野球選手や柔道選手が肩から転倒したときによく起きます。肩関節脱臼として報道される事も多いです。
 程度が強いと見た目に鎖骨の端が飛び出ているのが確認できます。このような場合には手術が選択される事もあります。クセになると言う事はないのですが、脱臼しっぱなしになる事があります。しかし、見た目に飛び出していても、意外と痛みはない事も多いようで、支障を来さない事もよくあるようです。
合併症ですが、肩鎖関節症と言って、関節軟骨が傷んだために痛みが残ってしまうものがあります。まれなものとして、鎖骨遠位端骨融解症というものがあります。鎖骨の端が溶けてなくなっていくので、見た目には非常にびっくりしますが、約1年で溶けていくのも痛みも治まります。この合併症は整形外科医でも知らない人がいるくらいです。


(3) 肘関節
 肘関節も比較的よく見かける脱臼です。見た目に変形が強いのでわかりますが、骨折を合併している事もあります。子供の場合はほとんどが脱臼ではなく、骨折です。
 クセになる事は余り無いのですが、まれに回旋不安定症と言ってコクコク外れる事を繰り返す事があります。
 肘のけがで注意が必要な事は、むやみに動かすと骨化性筋炎と言って筋肉が骨になる病気を発症する事があります。これは筋肉が骨になってしまうので、当然関節が動きにくくなり、後遺症を残す事があります。


(4) 手首(手関節)・指
手首が脱臼する事は非常にまれで、ほとんどは骨折です。
 手をついてから手首付近の痛みが取れないような場合には、まれではありますが、月状骨周囲脱臼と言って、手根骨という小さな骨の集まりをつないでいる靭帯が損傷して、配列が悪くなるために起こる障害もあります。これは初期に正確に診断できる事は非常にまれです。
 指の脱臼はスポーツ傷害では最も多い脱臼です。麻酔なしでも整復する事も可能ですが、骨折を伴っている事もありますので、レントゲン検査は受けておきましょう。親指の付け根などはなかなか整復できない事もあります。


(5) 背骨(脊椎)
 背骨の脱臼は非常に重症の事が多いです。通常は脱臼すると脊髄損傷と言って、重度の障害を残す事になります。首であれば四肢麻痺ですし、背中より下の部分であれば下半身不随となります。通常は手術が必要になります。
 よく背骨がずれている、と言う事を耳にしますが、これにも程度がいろいろあります。本当に脊髄を損傷しそうなものから、あまり心配のないものまでありますので、正確に診断してもらいましょう。


(6) 股関節
 股関節脱臼として有名なものに先天性股関節脱臼というものがあります。これは子供、特に赤ちゃんの疾患であり、通常、痛みを生じる事はありません。脱臼が放置されても、通常は痛みを症状とすることはありませんので、注意が必要なことがあります。痛みは成人期以降に変形性関節症の症状として出現してきます。
 ここでは外傷性脱臼と言って、けがで起きる脱臼を扱います。交通事故が原因の事が多いです。通常は後ろに外れる後方脱臼と言われるもので、激痛を伴います。
 後方脱臼では足を完全に伸ばすことが出来なくなり(屈曲、内転、内旋という肢位を取ります)、外見で判断できることがあります。  脱臼時に骨折を合併する事もあります。大腿骨頸部骨折を合併すると後遺障害が残る確率が高くなります。脱臼の重大な合併症として、坐骨神経麻痺と大腿骨頭壊死というものがあります。これらの合併症を起こりにくくするためにも、出来るだけはやく整復する必要があります。
 大腿骨頭壊死とは股関節の大腿骨側の骨に血流が行かなくなり、骨が死んでしまう(壊死)事です。これは脱臼整復後すぐに起こるのではなく、数ヶ月後に発生する事がありますので、厳重な経過観察が必要です。


(7) 膝関節・お皿(膝蓋骨)
膝関節脱臼という場合、ほとんどはお皿の骨の脱臼です。太ももとスネの骨が脱臼するほどのけがは交通事故や転落事故などでしかなかなか起こりません。一旦起きると動脈損傷などを合併する事が多く、切断を余儀なくされる場合もある、非常に重症の脱臼です。
 それに対してお皿の骨(膝蓋骨)脱臼は繰り返して起きる事もあります。神経や血管を痛める事はほとんどありません。クセになっている人もいます。また、先天的に外れている場合もあります。
 これも日常生活に支障を来すようであれば治療対象になりますが、治療方法として、簡単なものはサポーターです。何をしても無効な場合には手術が選択される事もあります。手術方法は骨の形や年齢などを考慮して複数の手術から選択したり、それらを組み合わせたりします。


(8) 足関節
足首の関節である足関節脱臼もあまり多くはありませんが、骨折を伴ったものはよく見られます。通常は手術で骨折部を固定しないと後遺障害を残しやすいと言われています。骨折をともなわない脱臼で整復が可能であれば、手術なしで済む事もあります。





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