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筋肉の構造とエネルギー消費

筋肉の生理学

筋肉はアクチンミオシンという2つの筋線維が結合して出来た物で、互いにスライドすることで収縮します。筋肉は収縮することと、弛緩することは出来ますが、自分の力で伸びることは出来ません。ですから、関節を動かす際には必ず、拮抗筋と言って、関節を曲げる筋肉に対して反対方向に伸ばす筋肉と言うのがペアになって存在します。拮抗筋同士がバランスよく働いて関節が適切な位置に固定され、思った通りの運動が出来るのです。この関節の位置を認識する神経を固有感覚と言い、近年スポーツ医学などで注目されています。 筋肉の神経支配ですが、通常は神経線維一本につき、数個から数百個の筋線維が支配されています(この「神経ー筋線維」のひとつながりを「運動単位」と呼びます)。神経一本当たりの支配筋線維数が少ないほど、精密な動きが出来(指を動かす筋など)、逆に多いほど動きは粗大になるが、少ない神経刺激で多くの筋線維を動かすことが出来るので、大きな力が発揮出来る(太ももの筋など)ようになります。

また、筋肉には大きく分けてタイプ1線維遅筋、赤筋)とタイプ2線維速筋、白筋)に分けられます。

タイプ1線維(遅筋)は運動開始までのスピードがやや遅く(数百ミリ秒)、筋力も弱いので瞬発的な動きには適さない一方、血中に存在するグルコース(ブドウ糖)や遊離脂肪酸を利用して運動し続ける(有酸素運動)ことが出来るので、持久力に優れています。小さな力や繊細な動きなどにはタイプ1線維が有効に働きます。タイプ1線維は酸素を利用するために酸素と結合力の高いミオグロビンという物質を多く含んでいるため、外見上赤く見えるので赤筋とも呼ばれています。この、酸素を使ったエネルギー産生はクエン酸回路 (TCAサイクル)と呼ばれる効率の良い方法で、ブドウ糖や遊離脂肪酸を酸素で燃焼させ(酸化させ)てエネルギーとなるATPを産生します。この回路ではグルコース分子1つからATP38個分のエネルギーが産生出来ます。脂肪酸からは一分子あたり100個以上のATPを産生できます。有酸素運動がダイエットによいとされるのはこのように摂取したブドウ糖や脂肪酸をエネルギーとして使用してくれるからです。

タイプ2線維(速筋)は、筋肉内に貯えられたグリコーゲンという物質を使って酸素のない状態でも瞬時に力を発揮する(無酸素運動)ことが出来ます。ですから、赤筋とは逆で、運動開始時間が短く、大きな力を発揮出来るので、瞬発系の動きに適します。ミオグロビンの含有量が少ないため、色は白っぽくなり、その分、酸素を用いた運動が苦手なため、持久力に欠けます。最大筋力は数十秒しか発揮出来ません。白筋のエネルギー源としては先に述べたようにグリコーゲンがあるのですが、これはブドウ糖(グルコース)から出来た物質です。これを酸素なしで分解する時にATPと乳酸が産生されます(グルコース分子1つからATP2つと乳酸2つが産生されます)。このATPはエネルギーを多く含んでいる分、物質としては不安定ですので、常に生産と消費が繰り返して行われています。ちょうどいつでもすぐに動かすことが出来るように、エンジンのアイドリング状態でガソリンが消費されているようなものです。速筋のトレーニングは、脂肪酸が使われにくいので、ダイエットには不向きとされていましたが、適度に速筋を鍛えておくと、このように平常状態でもブドウ糖を消費してくれるので、基礎代謝の向上につながるとされ、ダイエットに効果があると考えられています。

最近はこれらの中間的な性質を持ったタイプ2b線維(ピンク筋)という物が存在することが分かってきました。赤筋と白筋の割合は個人差があり、これは先天的に決まっているため、生まれもって瞬発系と持久系のスポーツに向き不向きがあるとされてきましたが、最近、このピンク筋の存在により、赤筋の割合を増やしたり、白筋の割合を増やしたり出来ることが分かってきました。しかし、これにも限度があるので、やはり、多少の向き不向きはあるようです。

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