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筋肉痛について

筋肉痛の原因

運動を行って、当日は大丈夫なのに翌日から数日後に筋肉痛が出る、こういった経験、特に20代後半くらいの方なら誰しもあると思います。これは遅発性筋痛という現象です。英語ではdelayed-onset muscular soreness(DOMS)と呼ばれています。運動すれば筋肉痛が起こる、これは当たり前のように思われていますが、実は、この遅発性筋痛の発生する機序は厳密には明らかにされていないのです。筋肉痛が運動後に生じることから、運動が原因であることは明らかです。とするとやはり運動によって筋肉が損傷され、その結果痛みが出ると考えるのが妥当です。ではなぜ、肉離れのように運動直後から痛みが出るのではなく、時間が経ってからでないと症状が出ないのでしょうか。

遅発性筋痛の機序として、乳酸やピルビン酸などの代謝産物やそれが蓄積することによる組織のpHの変化が原因ではないかと言う説があります。しかし、通常はピルビン産などは遅発性筋痛が生じる頃には代謝され終わっていますので、若干の矛盾がありますし、遠心性収縮と求心性収縮では、代謝産物は求心性収縮の方が多いにも関わらず、遅発性筋痛の程度は遠心性収縮の方が強いというような事実(Schwane JA et al. Delayed-onset muscular soreness and plasma CPK and LDH activities after downhill running. Med Sci Sports Exerc. 1983;15(1):51-6.)も代謝産物が原因でないことを裏付ける証拠となるようです。また、活性酸素などが原因であると言う説もありますが、はっきりとしたデータがあるわけではありません。

筋肉の一つの特徴として、筋肉そのものには痛みを感じる神経がないということがあります。筋線維には痛みを感じ取る神経は分布していないのです。痛みを感じる知覚神経は筋肉の周囲にあって筋肉を包んでいる筋膜と言う組織に分布しています。筋肉内損傷が生じると、組織修復のために炎症反応がおこります。筋肉の損傷部位には知覚神経はありませんので、この時点では痛みを感じることはありません。しかし、この炎症が時間とともに波及していき、筋膜まで達すると、痛みとして自覚するのです。これが痛みが遅れる理由として考えられています。こう考えると、組織修復の早さが痛み出現の早さとも考えられますので、年齢とともに代謝が落ち、組織修復に時間がかかるために、「歳を取ると筋肉痛が出るのが遅れる」と言う現象の説明もできます。しかし、実際には年齢と遅発性筋痛とに関連性はなく、運動習慣そのものの影響の方が強いと言うのが主な意見です。この考えでも、運動習慣は筋の強度が高いため、損傷を受けにくく、また、組織修復も早いと考えると筋肉痛の出現の遅れが説明できます。

遅発性筋痛は等尺性収縮や求心性収縮という運動では生じにくく、遠心性収縮という運動で生じやすい事が分かっています。また、近年の研究でストレッチは筋肉痛の予防効果はないと言うような論文(Herbert RD, et al. Stretching to prevent or reduce muscle soreness after exercise. Cochrane Database Syst Rev. 2007 Oct 17;(4):CD004577.)も出ています。ちなみに、肉離れというのは通常、筋線維と筋膜や腱とのつながり部分で損傷を受けると考えられているため、早期から神経を刺激するために、受傷直後から痛みが生じると考えられます。

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