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変形性関節症(1)

関節症と関節軟骨

変形性関節症とは、関節軟骨が摩耗して、関節に負荷がかかり、その結果関節周辺の骨に変形を来してしまう状態のことです。骨折や変形などの原因があって関節症が引き起こされるものを二次性関節症と言い、このような原因がないものを原発性関節症と言います。原発性関節症がよく見られる部分が膝関節です。他によくある部分として、指の関節、母指中手手根(CM)関節、背骨の椎間関節、頚椎のルシュカ関節などがあります。二次性で多いものは臼蓋形成不全に伴う股関節症です。原発性が比較的起こりにくい部分としては肘関節、肩関節、手関節などがあります。

関節軟骨の特徴

軟骨は主に硝子軟骨と線維軟骨に分けられます。関節面を覆っている軟骨は硝子(しょうし)軟骨であり、クッション性と対摩耗性に優れているとされます。この軟骨細胞は自己増殖能が非常に乏しく、ほとんど再生しないと言われています。そのため、一度損傷を受けると硝子軟骨では修復されず、線維軟骨に置き換わります。線維軟骨はクッション性と対摩耗性が硝子軟骨に劣りますので、損傷範囲が大きいと変形性関節症の誘因となります。
  摩擦係数
生体関節軟骨0.02~0.005
氷と氷0.03
鉄と氷
(アイススケート)
0.05
スキー板と雪0.01~0.1
人工関節0.1~0.3

また、軟骨は血流が非常に乏しい組織です。基本的に生きた細胞は養分がなければ生きていくことが出来ません。これは血液によって供給されるのですが、軟骨にはこの血流がない部分があります。これらの細胞がどのようにして養分を得ているのかというと、関節液という液体が血液の代わりをしているのです(ちなみに、よく関節に「水が溜まる」と言いますが、これは関節液が過剰に産生された結果です)。スポンジに水を含ませたり絞ったりする如く、関節運動と荷重によって、細胞間に関節液の出入りを促し、軟骨細胞の栄養補給を行っているのです。ですから、健康な関節軟骨を維持するためには、適度な関節運動と荷重とが必要なのです。骨折などで固定が必要なときに、可及的早期からのリハビリが重要とされるのはこういった要素もあります。また、この関節液は軟骨表面の潤滑油の働きも担っています。硝子軟骨と適度な量の関節液で満たされた正常な関節面の摩擦抵抗は非常に低く、現在の科学技術を持ってしてもこれよりもなめらかな擦動面は作り出せないそうです。

関節軟骨のクッション性

関節軟骨のクッションは主にコラーゲンとヒアルロン酸によって保たれています。コラーゲンはバネのような働きを持ち、ヒアルロン酸はそれらの働きを保つための水分を保持します。近年、これらの経口摂取を促すような健康食品が出回っております。サメ軟骨などもそうです。現時点(2006年)での科学研究では、これらの経口摂取により関節軟骨の再生が見られたとか言う報告は残念ながらありません。しかし、ある程度の除痛効果はあるようです、特に、製剤に含有されているコンドロイチン硫酸などにははっきりとした消炎鎮痛効果が確認されていますので、これらの製剤の服用で症状緩和の効果はあるようですが、いわゆる痛み止めを飲んでいるのと同じ効果と言うことです。ヒアルロン酸が服用によって体内に入ったとしても、非常に高分子であるため、一旦分解されてから吸収されるので、それが関節軟骨に分布されるかどうかも分かりません。先程述べたように、関節軟骨は再生しませんので、これらの関節軟骨構成物質を経口的に摂取したとしても関節軟骨に届く可能性はきわめて低いと考えられます。
現在有効性が確認されているヒアルロン酸の投与方法は、関節内注射のみです。直接関節腔内にヒアルロン酸を注入することで、関節軟骨表面にヒアルロン酸を分布させ、軟骨の水分保持を高め、軟骨の摩耗を軽減するとともに、消炎効果も期待できるとされています。現在、変形性関節症に対するヒアルロン酸の保険適用は膝関節しかありませんが、膝の関節症の薬物治療でもっとも有効性が確認されているのがヒアルロン酸の関節内注射です。

変形性関節症(2)原因、症状

変形性関節症(3)治療

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