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変形性関節症(2)

原因、症状など

関節軟骨の摩耗の原因

大きく二つあります。
一つの主因は加齢変化による変性という変化の結果、軟骨の強度が低下し、繰り返す関節運動によって軟骨が摩耗していくものです。ほとんどの変形性膝関節症がこれに当たります。また、この変性を促してしまう状態として以下のようなものもあります。

(1)力学的負荷の増大・・・関節の形態的理由など、何らかの力学的要請の増大などによって関節軟骨の変性が早まり、関節症を引き起こすものです。特に下肢においては体重が影響しますので、全身状態に特に問題のない人はできるだけの減量を心がけるのもよいと考えられます。体重を1kg減らすことができれば、膝関節の負担は約3kg、股関節に対しては約4kg、階段昇降時の膝においては約7kgの負担軽減ができると言われています。
形態的問題で最も多いものが股関節に見られる臼蓋形成不全による続発性変形性股関節症です。これは変形性股関節症の項目でも述べています。他には、X脚やO脚による変形性膝関節症もあります。これは骨折後にも起こりえます。肩関節では腱板断裂による骨頭求心性の低下により変形性関節症を来すこともあります。

(2)遺伝的要因・・・遺伝的に軟骨の耐摩耗強度が落ちている人がいることが分かってきています。これらの人は全身性に変形性関節症を来しやすく、膝、指、股関節、足関節など、複数カ所に変形性関節症変化が見られます。全身性変形性関節症と呼ばれるものもあります。また、骨系統疾患である脊椎骨端異形成症でも早期に変形性関節症を来します。ちなみに、去る2008年3月に日本の研究者らが変形性関節症に関する遺伝子を発見したというニュースがありました(http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2008/080712_2/detail.html)。

肩変形性関節症 (3)靭帯や関節の安定機構不全・・・関節の安定性が損なわれると、関節軟骨に対する力学的負担が増加し、損傷しやすくなります。膝であると前十字靭帯損傷や半月損傷がこれに当たります。この靭帯はスポーツ障害で起こりやすのですが、日常生活に支障を来さないこともあります。しかし、放置しておくと半月損傷を来たす要因となり、結果的に変形性関節症を来しやすくなると言われています(前十字靭帯損傷参照)。また、肩関節の腱板損傷後にも肩の安定化が損なわれるため、関節症変化を来すことがあります(右写真)。

(4)外傷後の関節面不適合・・・関節内骨折などをおこし、わずかなズレが残っていると関節面の不適合を来たし、関節軟骨面の圧力不均衡を生じます。これが関節軟骨損傷の誘因となり、結果的に変形性関節症を来します。そのため、関節内骨折では可能な限り元の位置に戻しておく事が望まれますので、手術が選択される事が多いのです。足関節、膝関節、肘関節、手関節、肩関節、距踵関節などによく見られます。スポーツ障害による離断性骨軟骨炎の後遺障害としてみられることもあります。これは肘に特に多く、外側型野球肘として知られています。30代くらいで肘の痛みと可動域制限を来すこともあります。

(5)外傷による軟骨損傷・・・転落や正面衝突など、非常に大きな外力が関節面にかかるとその圧迫力によって、関節軟骨が物理的に損傷されると言われています。軟骨細胞を壊すのに必要な圧力は骨折を起こすのに必要な力よりもずっと少ないと考えられています。即ち、関節面に圧力がかかるような力で骨折が起こると、関節面に骨折がなくとも関節軟骨は壊されていると言うことです。すると、関節軟骨の細胞(硝子軟骨)は修復されませんので、関節軟骨の摩耗がおきたのと同じ事が起こるのです。足関節内の骨折で、骨折そのものは非常によく治っているのに変形性関節症が出てくると言うことがしばしばあります。また、肩関節を脱臼したことがあると、肩関節の関節症の発症率が有意に高くなることも知られています。これはこのような理由により、軟骨がすでに傷んでいるからと考えられます。

症状

ほとんどは荷重時・運動時の痛みです。安静時痛(じっとしていても痛い、ズキズキと疼く)は10%程度に見られるとされますが、急性炎症期を除いては原則的に認められません。局所熱感はないのが普通で、これらがある場合には他の疾患を考える必要があります。膝の場合は大抵、膝の内側の痛みとして出現します。股関節の場合は、股関節痛としてではなく、大腿部痛や腰痛として出現することがあります。
関節症に比較的特徴的な症状として、運動開始時の痛みというのがあります。これは主に、歩き始めや立ち上がりの際に痛みが強いと言う物です。関節に水が溜まる(関節水腫)と言われる症状もよくあり、特に膝関節では外見上わかりやすいこともあり、よく認識されています。他には、関節のこわばり感もあります。

レントゲン所見

変形性関節症の変化は関節裂隙の狭小と言って、レントゲン上、関節の隙間が狭くなることです。これは関節軟骨がすり減ってきたために、レントゲンに写らない軟骨の部分の厚みが減って見えている状態です。また、骨棘(こつきょく)というものが出てきます。これは、関節の力学的負荷方向に対して垂直方向に伸びる骨の出っ張りです。軟骨のクッションがなくなることによって関節面に負担がかかり、その結果骨棘が生じるとされます。骨棘は関節面が力学的負荷に対して表面積を増やす事によって圧力分布をはかろうとする変化と言われています。そのため、骨棘形成は、関節がもっている限界を超えた、長期的な力学的負荷にさらされてきた証拠とも言えるのです。他のレントゲン所見では荷重部分の骨硬化像や、その周辺の骨嚢包形成などがあります。これらも力学的要請に応じて骨が硬くなったり、部分的に吸収されたりして起こるものです。骨にはリモデリングと言って、非常にゆっくりではありますが、力学的負荷に対して絶えず造り替えを行っています。そのため、膝などでは徐々にO脚が進行してくるのです。また、リウマチなどでの関節炎による軟骨摩耗は関節面全体に及ぶのに対し、変形性関節症は荷重部に限局してこれらの変化が見られることが特徴です。

変形性関節症(3)治療

変形性関節症(1)関節症と関節軟骨

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