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靭帯損傷FAQ

各関節の靭帯損傷の解説



  1. 靭帯損傷って何のこと?
  2. 膝十字靭帯損傷
  3. 膝の側副靭帯損傷
  4. 足関節(足首)の靭帯損傷
  5. 足(足の甲)の靭帯損傷
  6. 肘の靭帯損傷?
  7. 指の靭帯損傷?




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(1) 靭帯損傷って何のこと?
靭帯とは、骨と骨のつなぎ目である関節を連結する役目を担っています。したがって、靭帯が切れて連続性が断たれると関節がぐらつくことになります。
一般的に、捻挫というものは大きく3段階(1〜3度)に分類できます。
1度は狭義の捻挫で、靭帯の明らかな損傷を伴わないものです。顕微鏡的な断裂を伴うこともあります。腫れはほとんどないか、あっても軽度で、損傷靭帯直上に圧痛があり、靭帯を伸張させると痛みが誘発されることがあります。関節不安定性を残すことはほとんどありません。
2度は靭帯損傷となりますが、いわゆる部分断裂です。局所の腫れが生じ、皮下出血を伴うことがあります。皮下出血は数日後に明らかになることもあります。靭帯を伸張させると強い痛みを誘発します。関節不安定性を来すことがありますが、靭帯の連続性は保たれていることが多いので、軽度のことが多いです。この程度の損傷があると、下肢の場合、受傷直後に体重支持が不能であることが多く(立てない)、損傷程度の目安となります。
3度は靭帯断裂です。一般的には完全断裂であり、局所の強い腫れと皮下出血が生じ、関節の不安定性が出現します。多くはギプス固定や局所の安静により不安定性を残すことなく治癒しますが、靭帯の不全治癒が起こったり、靭帯の自然治癒が望めない部位では、不安定性が残存し、外れそうな感覚(脱臼感)が起きたり、関節に負担がかかり、軟骨損傷がおきたり痛みを起こす事があるため、手術治療が必要になります。
捻挫と靭帯損傷は紙一重です。もしも捻挫を起こして痛みがあるようでしたらまずはRICE(安静、冷却、圧迫、挙上)にて応急処置を行い、患部を安静にして出来るだけ速やかに医療機関を受診してください。当初しっかり治療していたら治っていたものがなかなか治りきらない、と言う事もあり得ます。初期治療が大切です。


(2) 膝十字靭帯損傷
膝には十字靭帯という靭帯が関節の中に2本存在します。前十字靭帯と後十字靭帯とよばれ、それぞれ、スネの骨が前後方向にずれるのを防いでいます(厳密には前後方向だけではありませんが、ここでは省略します)。この靭帯は関節内にあるため、部分断裂を除いて、一旦切れてしまうと自然にくっつく事はないと言われています。また、切れたままになると膝の不安定感が出現する事があり、半月損傷を誘発したり、変形性関節症の誘因になったりする事があるので、手術が必要になる事があります。
 主には前十字靭帯損傷が手術になる事が多いです。よくサッカー選手やバスケット選手がこの靭帯を痛めます。膝が不安定になるので、特にカット動作などがしにくくなり、プレーに大きな支障を来します。
 同時に半月損傷と言って、膝のクッションになっている軟骨の板が損傷する事があります。この場合、不安定性が強くなったり、半月損傷が進行するために手術が必要になる事が多いです。
 治療は基本的に手術治療となります。この靭帯は縫合してもくっつかないので、再建術と言って、身体の他の部分から靭帯の代わりになる組織を持ってきて移植します。よく使われる組織としてはハムストリング(膝の裏側の腱)と膝蓋腱(腱反射を見る時にたたく腱)があります。「前十字靭帯損傷」の項目も参照してください。後十字靭帯損傷は単独損傷ならば大腿四頭筋の訓練で症状が改善することも多いですが、半月損傷や後外側の靭帯を損傷していると手術的に治療した方がよいこともあります。


(3) 膝の側副靭帯損傷
側副靭帯というのは関節の内側や外側に着いている靭帯の事です。膝だけでなく、肘や指にもあります。
 膝の側副靭帯損傷の場合、内側の損傷が多いです。これは膝を外側にひねったときによくおこります。半月損傷や上記の十字靭帯損傷を伴っている事もあります。単独損傷の場合、手術なしで治る事も多いです。
 外側の単独はまれですが、回旋不安定症と言って少し複雑なぐらつきを示す事があります。これも十字靭帯損傷を伴っている事もあり、手術が必要になる事もあります。


(4) 足関節(足首)靭帯損傷
足首の外側には大きく3本の靭帯があり、前方から前距腓靭帯、踵腓靭帯、後距腓靭帯、と呼ばれます。通常は前距腓のみ、または前距腓と踵腓靭帯が損傷されます。
内側には三角靭帯と言う靭帯が存在します。外側靭帯損傷よりも頻度が低いものですが、重症化することは少なく、初期治療をしっかり行えば後遺障害も残りにくい部分です。
靭帯損傷を伴うと、通常は局所の腫れと内出血が見られます。数日してから踵の方や足の指の付け根付近に内出血が出てくる事がありますが、これは靭帯損傷部の出血が徐々に重力に従って降りてきた結果、出てきたものです。こういった所見が見られると、靭帯損傷を起こしている可能性が高いです。
以前まではギプス固定や場合によっては手術が行われていましたが、最近では手術はよほどの重症でない限り行わなくなってきています。また、ギプス固定も足首の関節の感覚(固有知覚といいます)が鈍ってしまうとされ、これを鈍らせないために、特にスポーツ選手などにはギプス固定を行わなくなってきています。ただ、強い場合には痛みの軽減を目的として、1、2週間程度固定を行う場合があります。「足首の捻挫」「痛みの引かない足首の捻挫」の項目も参照してください。
時々、足の甲の部分の靭帯損傷がこの損傷と間違われている事がありますので注意が必要です((6) 足(足の甲)の靭帯損傷参照)。


(5) 足(足の甲)の靭帯損傷
上述の外側にある前距腓靭帯のすぐ前方(足先側)に「二分靭帯」という靭帯があり、これがよく損傷します。剥離骨折を伴うこともありますが、足関節捻挫と間違われていることがよくあります。これも後遺障害なく治ることが多いようです。この靭帯のすぐ外側に痛みが強い場合は第5中足骨基部骨折という骨折を起こしていることがありますので、注意が必要です(参考:「足首の捻挫?」の項目)。


(6) 肘の靭帯損傷?
肘でよく見られる靭帯損傷は尺側側副靭帯(内側側副靭帯)損傷です。手をついてひねったときによく起こります。重度であると同時に筋肉も切れている場合があり、手術が必要になることもあります。この靭帯損傷はスポーツ傷害でもみられ、内側型野球肘としても知られています。外側の靭帯が損傷しても通常は後遺障害なく治ることが多いのですが、まれに後外側回旋不安定症と言って手をついたときなどに肘の亜脱臼を繰り返す病態が残ることがあります。


(7) 指の靭帯損傷?
指に靭帯損傷で注意が必要なのはPIP関節(指の中央の関節)の親指側にある橈側側副靭帯損傷です。この靭帯の機能不全が残るとつまみ動作で痛みが残ったり力が入りにくくなったりします。また、親指の付け根の人差し指側にある尺側側副靭帯が断裂すると、構造上固定だけでは治らないことがあり(ステナー病変:Stener lesionと言います)、手術が必要になることがあります。スキー選手やゴールキーパーによく起こります。




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